特区民泊

特区民泊とは

従来、民泊ビジネスを行うには、簡易宿所(または旅館営業)の許可を取る必要がありましたが、宿泊所としての様々な設備要件を満たさなければならず、空いている住宅で営業するには難しい環境でした。

そこで近年の外国人観光客の増加に伴い、平成28年1月、国が指定する一定の地域(国家戦略特別区域)においては、外国人旅行客を対象にした民泊サービスであれば旅館業法の適用が除外されるという制度「特区民泊」がスタートしました。

国家戦略特別区域制度はそもそも国が「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出することを目的に創設されております。

その為、従来の旅館業法の許可に比べて参入ハードルが低いのが特徴です。

例えば、フロントの設置義務や男女別のトイレの設備の問題があり、大幅な費用と手間がかかるケースもありました。

しかし特区民泊であれば、これらの設備要件がそこまで厳しくなく、そして建築基準法上の用途変更も不要なため、住宅からの転用がやり易くなっています。

ワンルームマンション、オフィスビル・投資用マンションの一棟全体、または広い一軒家を民泊で有効活用したいという方には、特区民泊をお勧めします。

-特区民泊のメリット/デメリット-

 

メリット01.

賃貸借契約になり
旅館業法の適用がない

特区民泊の場合は宿泊契約を結ぶ旅館業と違って、宿泊者と賃貸借契約を結びサービスを提供する為、旅館業法の適用がありません。
旅行業法の簡易宿所の許可を取る場合、フロントの設置が義務付けられている地域もあり、ワンルームマンションでの民泊の営業が困難となる原因になっています。
それに加えて多人数が共用することが前提の簡易宿所の場合、トイレも2つ以上必要となるケースもあり、事実上ワンルームマンションでの民泊が難しいと言われるのはこれが理由です。
特区民泊であれば、設備要件がかなり緩和されています。

 

メリット02.

建築基準法上の用途変更が不要

100㎡以上の住宅を旅館にする場合、建築基準法上の用途変更の確認申請が必要になります。
この用途変更が莫大な時間と費用がかかるために、一棟のマンションやオフィスビルを転用する際に高いハードルとなっておりました。
特区民泊なら、あくまで賃貸借なので、用途変更せずに「住宅のまま」ビジネスを始められます。
もちろん将来的に住宅に戻すことも、用途変更してしまう場合に比べてハードルが高くないのもメリットの一つになります。

 

デメリット01.

2泊3日が最低滞在日数

2泊3日以上の宿泊者しか受け入れることができないという特区民泊特有の決まりがあります。
それでも以前は最低滞在日数が6泊7日で、特区民泊の最大のデメリットでしたが、現在は2泊3日に短縮されたため、使い勝手が良くなり、デメリットとしてはそれほど大きくはなくなりました。

 

デメリット02.

一居室の床面積が25㎡以上必要

旅館業法の簡易宿所の場合、宿泊者一人あたり3.3㎡あれば許可が取れますが、特区民泊ではそれよりも厳しい要件になっています。

 

デメリット03.

国が指定した地域でしか使えない

ビジネスを始めるにあたって優れた制度ですが現在は限られた地域のみでしか特区民泊制度を使用することはできません。
今後増えていくことが想定されますが、指定された特区以外では旅館営業または簡易宿所の許可を取る以外に方法がありません。

 

デメリット04.

近隣住民への周知や外国語対応

特区民泊は、原則として外国人の宿泊客を対象にした制度になります。
その為、外国語による賃貸借契約書や利用案内、緊急事態時の説明などが必要になります。
また旅館業と異なり、事前に近隣住民へ事業計画を「周知」する必要があります。
もっとも説明会などを開く必要はなく、書面の郵送・ポスティングで構いませんし、「同意」までの必要もないので、それほど難しい要件ではありません。

-お手続の流れ-

料金表はこちら

  • お問い合わせ・ご相談

    物件が決まりましたら、お電話または問い合わせフォームにて当事務所までご連絡下さい。
    簡単なヒアリングとお打ち合せのスケジュールをご相談させていただきます。

  • 2.お打ち合せ

    資料や図面をお持ち頂き、調査前の簡単な打合わせ、今後のスケジュール、お見積りなどをさせて頂きます。
    お打ち合せではまず、候補の物件(場所・構造・設備など)や営業形態をお聴きした上、許可の要件をクリアしているかどうかを確認させていただきます。
    物件によっては、別途調査(有料)が必要になる場合がございます。(調査のみのご依頼も承ります)
    問題がなければ、今後の流れや必要書類、お見積りのご案内を致します。

  • 事前調査

    正式にご依頼いただきましたら、 当該物件が特区認定を受けるための要件を充たしているかどうかを調査致します。(※作業着手前に所定の着手金をお支払いただきます)
    主に生活衛生課(保健所)、所轄消防署、建築審査課、環境清掃管理課、都税事務所などへの確認・調整を行います。

  • 近隣住民への事業計画の周知

    計画が固まったら、近隣住民(隣地やマンションの全住民)への書面による周知を行います。
    郵送やポスティングによる周知で構いません。※周知書面の文案作成も別途承ります。

  • 申請書類の作成

    申請書・添付書類の作成・収集を行います。
    お客様と締結する賃貸借契約書や外国人滞在者向けの翻訳の作成も承ります。

  • 認定申請~許可書交付~事業開始

    申請書類を提出します。(※申請前に費用の残金をお支払いただきます。)
    書類審査と実地調査が行われます。審査期間は概ね15日程度です。

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